村落

村落(そんらく、英語: village, hamlet)とは、人口や家屋の密度が小さい集落を指す学術用語。一般的には農村などの呼称が用いられることが多い。対義語は都市。
地理学的概念である集落に対して、村落は、人間関係の社会的・文化的な統合状態に基づく社会学的概念である。広義では地縁集団にも含まれるが、村落は、地縁集団に比べて、人間関係の社会的、文化的な自律的統合単位でなければならず、政治的な単位として形成されている地域社会の一種として位置づけられる。
村落を社会学的・歴史学的にみた場合、村落は、ムラの成員が何らかの社会的関係を取り結んで共同生活を営み、その共同性が世代を超えて再生産されるまとまりを指す[1]。その結合を支える要素としては、土地の共有や割り替え、土地利用規制、共同労働、入会地など共有地の利用、灌漑用水の管理、祭祀、成員の話し合いによる意思決定などが挙げられる[1]。この観点では、村落は単に家屋密度の小さい集落ではなく、生活規制と協同の仕組みを伴う地域社会として把握される[1]。
近世日本でも、用水の分配や入会地利用は村や数村の合意とルールに従って運営され、日常の共同労働から冠婚葬祭に至るまで複数の共同体秩序が農民生活を規定していた[2]。一方で、村落共同体の強さは集落形態によって一様ではなく、香川の事例研究では、散村では協同が目的別の単位に分かれて共同体が明瞭でないのに対し、集村では耕地の混在と灌漑を通じて共同体が典型的に成立するとされる[3]。そのため、村落共同体を平等で閉鎖的な自立共同体として一律に描くのではなく、歴史的条件や空間構成に応じて結合の強弱をもつものとして理解するのが適切である[1][3]。
分類
[編集]
行政的な区分と形態的な区分で、英語または文化人類学では、villageとhamletとして区分する。hamletが、自然に形成された本来の村落を指す。
産業別分類
[編集]
- 農村
- 住民が主として農業に従事している村落。日本の村落の大半が農村である。柳田國男によれば、日本の農村の3分の2から4分の3は室町時代から始まったものとされ、網野善彦もこれを支持している[4]。なお現在日本の農業人口は2%以下である。
- 漁村
- 住民が主として漁業に従事している村落。日本では、大半が漁業の他に農業も行う半農半漁村であり、漁業だけを行う純漁村は少ない。
- 山村
- 山間にある村落。山村振興法では「林野面積の占める比率が高く、交通条件及び経済的、文化的諸条件に恵まれず、産業の開発の程度が低く、かつ、住民の生活文化水準が劣っている山間地その他の地域で政令で定める要件に該当するもの」と定義されている(山村振興法2条)。住民は林業と農業に従事している事が多い。農村と併せて農山村という。
- 例:戸隠、春野、上宝、荘川、十津川、本宮、板井原、箱根、六合。
行政文書等で一括して表現する場合は「農山漁村」と呼ぶ。


国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)(現・地図・空中写真閲覧サービス)の空中写真を基に作成
形状別分類
[編集]
関連書籍
[編集]
- 矢嶋仁吉『集落調査法』1958年初版
脚注
[編集]
[脚注の使い方]
- 1 2 3 4 “村落共同体(そんらくきょうどうたい)”. Historist. 山川出版社. 2026年3月18日閲覧。
- ↑ “愛媛県史 社会経済5 社会 五 村落共同体”. データベース『えひめの記憶』. 愛媛県生涯学習センター. 2026年3月18日閲覧。
- 1 2 石原, 潤「集落形態と村落共同体」『人文地理』第17巻第1号、1965年2月28日、38-64頁、doi:10.4200/jjhg1948.17.38。
- ↑ 網野善彦 『中世再考』 講談社学術文庫 2000年 p.192.
- 1 2 3 矢嶋、1956、106ページ
- ↑ 石井ほか(1997)、178ページ「散村」より
参考文献
[編集]
- 矢嶋仁吉『集落地理学』古今書院、1956年11月5日、394pp.
- 山本正三・奥野隆史・石井英也・手塚 章『人文地理学辞典』1997年10月5日 、525pp. ISBN 4-254-16336-3
関連項目
[編集]
| 分野 | ||
|---|---|---|
| 理論 | ||
| 主要概念 | ||
| 研究手法 | ||
| 関連項目 | ||
|
| ||
この項目は、地理用語に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:地理/Portal:地理学・Portal:地理)。 |